30代で韓国留学を決行した私の備忘録的お話。
私は20代を終えるギリギリの頃に、ワーキングホリデーについて悩んだ時期があり、その時は「取り敢えずVISAを取って、最終的な決断は後で出そう!」という作戦で、VISAの申請リミットとなる30歳の誕生日直前にワーホリVISAを取りました。
各種証明書等、書類の準備や韓国語(または英語)での行動計画書の作成…VISAの受け取りetc。知り合いや友達にも協力してもらい大慌てで手続きをしました。私の住む地域の管轄領事館ではVISAの受け取りは「必ず指定された日時に取りに来ること。それ以外の日程は認めません」と言われたものの、指定日は仕事の都合がつかず、やむなく友達に受け取りを頼んだ事を覚えています(受け取り本人じゃなくてもいいんだ…っていう笑)。
31歳の誕生日が来るまで(つまり30歳のうち)に出国すればOKという事だったので、本当にギリギリまで悩んだ。
学生ならまだしも、社会人になってからの留学はやはり仕事がネックという人は多いと思う。私自身「仕事を辞めて大丈夫か?」「韓国語を勉強してその後どうする?」「帰国してからの計画は?」「自分にとって、大金をつぎ込んでまで行く価値が本当にあるのか」「結局なんで行きたいんだろう」こんな自問自答がずーっっっと頭をぐるぐるして…。周りでは、ぼちぼち結婚ラッシュなんかも起こる年代。「人は人、自分は自分」」と思いながらも、私も遅ればせながら自分の生き方を真剣に考え始めた頃で、色んなことが頭をかすめては決断しきれずにいました。
結局その時は、仕事を辞める事への踏ん切りと「仕事を辞めてまで行く目的」について自分が納得いく答えが出せず、一生に一度しか取れない貴重なワーホリVISAを放棄しました。残念な気持ちはもちろんあったけど、悩みに悩んで出した結論だったので後悔はなかったです。でも、VISAの失効日には、一人パスポートを眺めてしんみりしていました…笑 元々、石橋を叩きまくって渡る性格なので、今思えば考えすぎな部分もあったと思うけど、30歳前後ってある種のターニングポイントとも言えるタイミングでもあり、なんというか、答えが出せないまま好奇心だけでは決められなかった。悩むのも当然の事だったと思います。それに、それだけ悩んだ事も今となっては意味のある事だったと思います。
そして、そこからが不思議なもので、その約5年後仕事を休職するかたちで留学出来るタイミングが巡ってくることとなり、念願の韓国留学となりました。休職のため一時的に無収入にはなりましたが、再び巡ってきたチャンスに今度こそは迷いなく決断に至りました。
これは本当にラッキーなパターンではあるけれど、5年前あれだけ悩んだからこそ、今回ばかりは「行くしかない!」 という答えが直ぐに出ました。
ワーキングホリデーとは違い、現地で仕事をする事は出来なかったけれど、思う存分勉強ができ、その結果ありがたいことに奨学金を頂けたのも自信に繋がりました。そしてなにより、日本にいたら絶対に出会えなかった、さまざまな国の友達との出会いが、なによりの財産になった。人生でこんなにも「私、生きてる!」って実感しながら、おもいきり行動出来たのなんて、何年振りだっただろう。初めてだったかも知れない。当時の日記を今読み返すと、とてつもなく熱いポエムのような文章が並んでいるのも思い出です…(笑)
留学中にある友人に言われました。「海外に留学して、帰国後に一番自分に残るのは人との出会いだよ」って。韓国人であり日本にも留学経験がある、その友人の言葉は本当でした。
一度は諦めてから、再び巡ってきたチャンスだったからこそ、限られた時間で最大限の挑戦を出来た自負があり、その経験は本当に私の宝物になった。
30代での留学。渡韓前、クラスの年齢層はどんな感じだろう?ちょっとだけそんな事も気になりました。でもいざ現地に来ると、30代は勿論、60代近いと思われる年配の方も留学生の中には見受けられたし、みんな色んな思いを持って来ている留学生が沢山いました。大学付属の語学堂の場合、大多数は進学や就職のために来ている子が多いため、殆どは10代後半から20代中盤。人によっては多少の気後れはするかもしれません。でも、自分が思うほど誰も年齢なんて気にしてませんし、想像以上に色んなバックグラウンドや年代の学生がいます。
今だからこそ分かる、得られるチャンスの貴重さ、時間の大切さを噛み締めながら過ごした留学生活。留学の目的やビジョンは人それぞれ。でも、そのビジョンや、自分は何を大切にしたいのか…を明確にすることで、その充実感や得られる結果は変わってくるはず。
得られたものは語学力だけではなく、その土地の価値観や、様々な人々との出会いを通して、私は、新しい自分に出逢えたし、自分のアイデンティティーについて改めて考えるきっかけも得られました。海外を知る為に行ったはずの留学で、自分の母国について改めて考え、自分自分も知る事になったんです。
人生100年時代なんて言われる現代で30代なんてまだまだ駆け出し!と私は思います。何かに挑戦したり、道を変えたり寄り道したり。それはなにも学生だけじゃないはず。
韓国留学で私はもう一つの人生と、もう一人の自分に出逢えた気持ちです。今は、コロナウィルスの影響もあり、こんな状況ですが、また以前のように世界の門が開いた時、私は、韓国留学を夢見る多くの人を応援したいなぁ。。。なんて密かに思っているのです。
(≧∇≦)b